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​疾患別の治療内容

頭痛

西洋医学の頭痛の所見

片頭痛

片頭痛-頭の片方に現れる頭痛のこと。
    
​症状-中等度から重度のズキズキした痛みが特徴。
   痛み以外に閃輝暗点(光の残像がチカチカ写る)
   ストレスを感じやすい、うつ症状、睡眠障害、
   吐き気や嘔吐、光に敏感になる、首周りに違和感、
   女性のホルモン変化など。

病理-血管内に痛みを誘発させる物質が放出され、
   脳の血管が拡張し炎症が起こることで頭痛が起きる。

原因-ストレスや生理周期、更年期障害などのホルモン変化

緊張型頭痛

緊張型頭痛-首の後ろから頭の両側面にかけて圧迫されて
      締め付けられるような痛み。

症状-上記の痛み以外は、日常の動作で増悪したり、吐き気
   などを伴ったりはしない

病理-筋緊張を誘発する因子によって血管が収縮し血流が悪
   くなることで頭痛が起こる。

原因-長時間同じ姿勢やストレス。生活習慣が影響する。
   ゲームやスマホといったブルーライトを見続けること  
   で交感神経が高ぶり緊張を引き起こすことも関係す
​   る。

東洋医学の頭痛の所見

東洋医学での頭痛の原因は大きく2種類に分かれる

外因(気候の変化などの人体の外からの影響)と
​内因(体の弱りが中心に引き起こされる)

外因による頭痛

風寒タイプ-特に冬や春先など寒い季節に起きやすい頭痛。

風熱タイプ-温かい環境に囲まれている時に起きやすい頭痛。
      冬でも暖房をかけて温まり過ぎると起きる原因
      になる。

風湿タイプ-湿気に取り囲まれたり、曇りや雨の時に起きや
​      すい頭痛。

​外因の病を知るポイント

外因の病(気候の影響で引き起こされる病)は、
​自然の気候が与える影響が強くて人体の健康を保つバランスが崩れてしまうことで症状が現れます。
つまり、気候の影響>人体の免疫という状態になると発症するということです。
​今までストレスも何事もなかったのに急に頭痛が現れるといった症状の現れ方が特徴。急性型の頭痛です。
代表的なのが風邪の頭痛です。
健康人は少々のことでは起きませんが、もともと虚弱体質
の人だとこういった外気の影響で体調が変調しやすくなります。

よくドラマやアニメで病弱な子供が窓の外を見ながらみんなと一緒に遊びたいなと羨むシーンがありますが、ああいった慢性的な病で体力が落ちているうちは、そういった気候の影響を受けて急に容態が悪化することがあるため外での活動を控えさせられるんですね。
そういったことがあるように外因性の病は、自然の気候(暑さ、寒さ、湿気、乾燥など)で急な症状を引き起こします。
​また、そういった病を繰り返してしまう人は体力を回復させることで症状が治まります。

内因による頭痛

血虚タイプ-筋肉に血液を配分する力が低下したり、血液の  
      量が少なくなることで起きる頭痛。

肝陽上亢タイプ-慢性的にストレスを感じる人に現れやすい
        頭痛。

血瘀タイプ-血液の流れが悪くなることで現れる頭痛。血液
      がドロドロになっている人がなりやすい。

気血両虚タイプ-慢性化した頭痛。気(体温や生体電流)や
        血液を身体で作りにくくなっている人の頭
        痛。

湿痰タイプ-飲食の乱れや運動不足で身体に余分な水分が停
​      滞することで血流が悪くなって現れる頭痛。

​内因の病を知るポイント

内因の病(身体の体力、免疫)が低下して起きる病)は、
主に気血津液(水)の過不足が現れることで発症します。

気は現代の考えで解釈すると体温や生体電流と認識した方が分かりやすいと思います。
細胞はミトコンドリアなどで生成される熱エネルギーによって活動し、次々細胞間へ伝わっていき各器官を働かせています。こういった目には見えない体温や生体電気の働きを気の働きと同義に考えています。
​東洋医学で気の病とは、気(体温や生体電気)が作れない、停滞するなどのことが起きている病です。

血は血液のことです。血液の中には、糖やアミノ酸や脂質などの細胞を作ったり、栄養したりするものが入っています。
気とは違って物質的な燃料に例えられます。
なので産後に血液が流出してしまうと体力が落ちますよね。
まさに血液は人間にとってのガソリンの様な存在になります。

​津液(水)は、いわゆる体液のことです。人体の3分の2は、水でできていると言われるくらい体液も人体の活動の支えとなっています。潤す作用や熱を冷ます作用があります。

五十肩

西洋医学の五十肩の所見

五十肩-40~60代にかけて発病する肩周囲の痛みと運動
    制限。
    
​症状-冷えると痛みが増す、夜間に痛みが強くなりひどい時
   には痛みによって眠れない、痛みが上腕や肘まで広が
   る。痛みと同時に熱感や発赤、腫れは無い。

病理-はっきりとした原因は不明。

原因-加齢によって肩の筋肉の​   
   血流が悪くなることで起きると考えられている。

五十肩は痙縮期拘縮期回復期と推移する

痙縮期-炎症が強いため痛みも強い時期。
    動かしても、安静にしても痛みがある。
    痛みのためかばう動きをしてしまう。

拘縮期-痛みが和らいでくる時期。
    肩関節の拘縮(動きの制限)がある。
    日常の動作が難しい(顔を洗う、上着を着る、
    髪を結ぶ)。

回復期-痛みが完全に取れる。
​    肩関節の動きの制限が取れる。

東洋医学の五十肩の所見

東洋医学での五十肩の原因は外因のものがほとんど

外因(気候の変化などの人体の外からの影響)

東洋医学では五十肩のことを「漏肩風」「肩痺」「凍結肩」と呼んだりします。
「風」や「凍」という文字がある為、誘発する要因は風寒湿といった気象が主になります。
例えば汗をかいて風に当たるとその部分がだるくなったり、
冷えたりしますよね。こういった気象の人体に対する影響です。
そして加齢のため五臓の内の「肝」と「腎」の弱りが現れて、筋肉を潤す作用や血流が低下します。
​その両方が重なった時に「五十肩」が起きるとされます。
​東洋医学では風寒湿が同時に侵入して疼痛や運動制限が出て慢性化した疾患を「痺病」とも呼びます。
​東洋医学の五十肩の原因=気象の影響+加齢の弱り(血虚や瘀血)。

外因による五十肩の種類

風寒タイプ-冷たい風に当たることで筋肉の血流が悪くなり、
      また寒さが停滞することで鋭い痛みが出る。
      冬場だけでなく夏場の冷房でも引き起こされる原
      因となる。

寒湿タイプ-汗をかいたり身体が濡れてたりすると引き起こさ
      れる。湿気を帯びるとダルさを伴った痛みが出て
​      くる。

瘀血タイプ-動作による痛みは無いが、動きに制限がある。
​      慢性化している状態。血液が滞り固まっているの
​      を解いていく治療が必要。

​五十肩の治療のポイント

加齢による血流改善+痛みの原因となっている冷えや水の停滞を取り除く。慢性化している場合、血液が固まっているのを温めて潤しながら軟らかくしていく。

腰痛

西洋医学の腰痛の所見

厚生労働省より腰痛は特異的腰痛非特異的腰痛に分類される言われています。

特異的腰痛は、腰痛の原因がはっきりと分かっているものを指します。

非特異的腰痛は、腰痛の原因が画像診断や検査を行っても分からないものを指します。

-特異的腰痛に含まれるもの-
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、圧迫骨折、感染症の脊髄炎、脊髄に転移したガン、大動脈瘤、
尿路結石などの内臓疾患

​特異的腰痛と非特異的腰痛の割り合い

特異的腰痛=15%
​非特異的腰痛=85%

この数字から分かることは、医療機関でわかる腰痛は全体の15%で後の
85%は腰が痛む原因が分からないということです。

実は腰痛の原因を特定するというのは大変難しいことなんですね。
医療機関での治療の特定が難しいとなると、自然と鍼灸やマッサージの分野に足を運ばれることになります。
​腰痛治療を鍼灸やマッサージで治療する方が多いのは実はこういった背景があるからなんですね。

腰痛治療を受ける上で大事なポイント

強い痛みが続く場合は、
骨の異常(圧迫骨折、子供のスポーツに多い腰椎の分離症、椎間板ヘルニア、癌などの骨転移など)内臓疾患(動脈瘤、尿路結石、癌など)
の可能性があるので不安に思ったら信頼のおける医療機関に必ず受診すること。​手遅れになると危ないものの可能性をなくしておきましょう。

東洋医学の腰痛の所見

血虚タイプ-肉体労働などで筋肉を使いすぎて起きやすい腰
      痛。筋肉は血液が流れ込むことで動くことから失
      った血液を集める治療を行う。

湿熱タイプ-特に何かをしたわけでなく腰痛が起きることが多
      いタイプ。




瘀血タイプ
 

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