漢方
漢方と聞くと、苦くて飲みにくいとか効果が現れるまで時間がかかるのではないかと思う方がいらっしゃると思います。
しかし実際のところは、身体の病の状態に合わせて出された漢方って意外にも味が美味しいと感じたり、思ったほど味に苦味を感じないことがほとんどです。身体が要求する治療方針に従って漢方を服用すればすぐに効果も現れます。
確かに病の軽重によって服用する期間の違いがありますが、同じ薬を6か月も1年も続ける必要はほとんどありません。
病が軽い場合は、1薬だけでも十分に効果が発揮されます。
反対に病が重たい場合は、身体の組織の回復を段階的に治癒していかないといけないため、身体がある一定の状態にまで回復したら、次の段階に治癒していくために漢方の処方を変えて服薬してもらいます。
これが重病に対しての漢方の処方例になります。(患者さんの治す力がどの程度に達しているのかを精査しながら処方されます)
なので理想的な漢方の処方の仕方は、一度に2週間や1ヵ月分を出すのではなく、2,3日分処方してみて、その漢方の影響が身体の状態や脈にどのように反応を示しているのかを確認することが望ましいです。漢方が本当に身体に合っているのかを精査するやり方です。
漢方と西洋医学のお薬の違い
そもそも漢方と西洋医学のお薬の効き方ってかなり違いがあります。
「あなたの風邪に狙いを決めて」で有名なベンザ〇ロックは、まさに西洋医学のお薬の効き方の代名詞です。つまり、有効成分というもので”症状を直接抑えにいく”というのが西洋医学のお薬の効かせ方です。ピンポイントで効かせるやり方です。
対して、漢方というのは、風邪を引いて喉の痛み、頭痛、鼻水という症状が現れていたとしても、直接それらの症状を抑えにいくのではなく、それらの症状を引き出してしまった身体全体の状態を改善させるために効果が発揮されます。例えるなら、山火事が起きて直に火災を消して終わりではなく、火災を起こした山全体の環境を改善させて山火事の再発を防止するやり方です。
これが漢方の理想とする治療の方向性です。
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