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珠氣鍼灸治療院

風痺とは

「風痺」とは

「風痺」は、その名のごとくの影響を受けて起こります。


東洋医学の原典である黄帝内経には、「風」についてこのように書かいてます。


「風なる者は、百病の長なり。今風寒人に客すれば、人をして毫毛畢(ことごと)く直ち、皮膚閉じて熱をなさしむ」


これはどういう意味かと言いますと


”風という気象は、たくさんの病を発生させることに長けた存在です。風寒(風と寒さ)に身をさらせば、その影響により産毛が立ち、皮膚が閉じてしまうため、本来放出させるべき体温が出ていかないから熱が滞りますよ”ということです。


身近なもので例をあげますと、風が吹いている中、外で活動した後に肩や腰が痛くなったりする人です。


作業でよく使う部位(肩、腕、腰など)は、疲労が起きやすい部位でもあります。その部分が一時的に、気象の影響を防御する働きを欠いたところに、風が体に侵入します。

風が体に悪影響を与える事として、「皮膚表面の汗腺を閉じてしまう」働き。

汗腺が閉じてしまうことにより、体の内部の炎症が皮膚を通して、外界に逃げなくなるということが起きてしまいます。これが炎症による痛みが続いてしまう理由です。


「風痺」の痛み方にも、特徴がありまして、「その痛みは移動する」

これは、風の気象の現象と同じ「動きまわる(遊走性)」働きです。





また風というのは、ドライヤーの風で髪を乾かす時の様に、水分を乾燥させる働きもあります。

長い間、風に当たりすぎると、体を潤している体液も乾燥させてしまうため、皮膚の潤いや体液を損傷させます。

東洋医学では、身体を使った労働は、血液を消費させると言われています。いわゆる血液は、体にとってガソリンみたいなものになります。

血液は、液体でできていますので風に身をさらし続けて作業をしてしまうと不感蒸泄によって体の水分が少なくなるので、全体的に見ると血液の水分も少なくなりやすくなります。

土木作業でウインドブレーカーを着て作業する人と着ないで作業する人で、疲れ具合いに差が出るのはまさにそういうことです。


この「風痺」にならないようにするためには、外に出る時は、体に直接風が当たらないようにマフラーやスカーフを巻いたり、上着を着るようにすることが一番です。


鍼灸の治療は、去風散熱です。体表に留まっている風邪(ふうじゃ)を衛気の働きで追いやる治療です。


「風」というのは、この後紹介します、「寒痺」、「湿痺」の病を誘導する作用を持っています。

「風」は、皮膚汗腺の体温調節機能や気象による影響を防御する働きを低下させるので、さらに「寒さ」や「湿気」による影響を身体がダイレクトに受けやすくなります。そこから「寒痺」や「湿痺」になる可能性が出てくるということです。

「風なる者は、百病の長なり」と言われるのはこうした由縁です。


「痺病」に関わらず、「風」に身を直接さらすことを避ける様にすることで数多くの病から身を守ることができます。臨床的によくあることなので気を付けてみられてください。



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