ギックリ腰は、正式な病名ではなく、腰痛症の範囲内の症状になります。
腰痛症も様々な原因があり、筋肉、軟部組織、椎骨、神経などに異常が生じて起きるパターンがあります。
痛みが酷いものであれば、ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折などを起こしている場合があるので、その際は腰痛といって軽く見なさず各専門医を受診されてみることをオススメします。
鍼灸院で見られる急性のギックリ腰
「ギックリ腰です」っといって来られる患者さんの腰痛の原因は、「何か重いものを持った」という事がほとんどだと思われるかもしれませんが、それだけではないんですね。
特別何かをしたわけでもなく、急に腰が痛くなったと言われる方もいらっしゃいます。
その時に、何もしなくてもどうして腰痛が起きるんだろう疑問に思われて、どこか内臓の病気や骨や神経の異常からきているのではないかと医療機関を受診する人も少なくありません。
それでも異常が見つからず症状が慢性化して更に腰痛の症状が進んで鍼灸院に来られる人が多くいらっしゃいます。
急性のギックリ腰の症状
ギックリ腰の急性期の症状としては、炎症を伴う痛みがあることが特徴です。 腰の痛みと一緒に腫れや熱感が出てきます。
受傷して3日くらいは炎症が起きる期間になります。この期間前後に治まるギックリ腰であれば程度の軽いものでしょう。
程度によっては、自己の努力で回復するのが難しい場合があります。
始めから強い痛みや腫れがある場合は、病院や治療院へ受診されてみられることをお勧めします。
また長いあいだ炎症を放置してさらなる悪化することは、今後の予後が悪くなる可能性があるので、1週間以上たっても治らない場合であれば必ず受診し、早期に治療されてみることをお勧めします。
鍼灸院で治療する急性のギックリ腰はこれ
大まかに分類分けをすると3種類です。
・肉体労働で酷使したために起きるギックリ腰
・胃腸の働きの弱りによって起きるギックリ腰
・冷えによって起きるギックリ腰
肉体労働で起きるギックリ腰
いわゆる使い過ぎによるギックリ腰のことです。
筋肉は血液によって栄養されて、それを活動源にして動かしています。
自動車でいうガソリンの様な存在です。
自動車が走れば走るほどガソリンが消費される事と同じで、
人間が動けば動くほど血液もそれに伴って消費されてしまいます。
その結果、血液の行き渡りが少なることで、筋肉が栄養されにくくなります。
これが使い過ぎによって起きるギックリ腰のしくみです。
この治療は、血液を筋肉により届きやすくすることを優先的に行います。
胃腸の弱りで起きるギックリ腰
皆さんが経験されているかもしれませんが、お腹いっぱいに食べた時とその反対にお腹の虫が鳴くくらい空腹を感じた時に、からだに力が入りにくいってことがありますよね?
飲食が過剰すぎたり、不足過ぎたりすると胃腸の消化吸収の能力が低下して、そこから得られる新鮮な血液や体温(カロリー)が不足してしまうという現象が起きてしまうんですね。
これが胃腸の働きの低下により起きるギックリ腰のしくみです。
この治療は、胃腸の消化吸収を助けて新鮮な血液と体温が作れるようにすることで、
筋肉を栄養することを優先的に行います。
この胃腸のパターンのギックリ腰は、普段の食生活が原因で起こることが多いので、実は急性よりか慢性の分類に位置します。
冷えによって起きるギックリ腰
これはよくお年寄りが起こしやすいギックリ腰になります。
お年寄りは、身体を温める作用が年齢的に低下しますから、秋口から冬にかけて冷えた時に起こしやすくなります。
東洋医学では、寒さという身体の外の気候の影響によって発病するので外感病と呼んだりします。寒邪に当たるとも言います。
お察しの通り、冷えが原因なので冷えを取り除くお灸中心の治療を行います。
最後に
腰痛と言えども、東洋医学の腰痛は様々なパターンがあります。
そのためには、問診や脈診や舌診、触診から得られた情報をもとに細かく分析していって患者さんひとりひとりの状態に見合った治療を行ってまいります。
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