前回のお話しをまとめてみます
感情には、固有の働きがあり、感情が向かう方向性(ベクトル)がある
身体(臓)にも、独自の働きがあり、働きに方向性がある
両者には共通点が存在する
怒りという感情は、上向きに外向きに発散させる傾向がある
肝という臓は、血液を溜めて体の隅々に届ける際に上向きに外向きに発散させる傾向がある
それぞれの働きを図にしてみると
”怒りという感情”と”肝という臓”は、”発散”という共通の特徴持っているということが分かります
中国の古典医学では、”臓”が身体の働き、精神の働きを支配している(五臓論)という概念があり、それに当てはめてみると
”肝”が発散という働きを通して、”怒り”という感情を支配しているということになります
東洋医学の言葉である、”心身一如”(体と心は分断されたものではなく、相通じ合って一つの働きを成している)とはこういった感情と五臓の関係から読み解くことができるわけです
本題の心(しん)と喜びについてお話ししていきますね
心(しん)というのは、五臓の内、他の四臓に比べて熱量が多い臓です
西洋医学でも深部体温は、心臓が一番高いと言われています
東洋医学ではその熱の働きによって血液を送るポンプ機能が発揮されていると言われています
心(しん)の熱(陽気)は、それほど重要な役割を果たしています
そして”喜び”という感情について
嬉しいとか喜びを感じる時は、体温は高くなります
体温の熱源、深部体温は心臓にあるとお話ししましたが、まさにその深部体温が上がるからなんですね
その場所こそ、五臓の中の長である心(しん)ということです
楽しいことや嬉しいことといった”喜び”の感情が”心”(しん)の活動を活発にしているわけです
笑い過ぎたら苦しいって反応がありますが、あれは”喜び”過ぎが仇となって”心”(しん)の熱が高くなり過ぎたからなんです
胸に熱がこもった状態です
適度な感情の発露がやはり健康の秘訣です
次回は、脾と思いについてです
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