気という言葉の概念は、西洋の文化に常にさらされている現代の日本においては、
馴染みのないものかもしれません。しかし、明治以前の日本ではこの気の概念が文化を象り生活のほとんどを支えてきました。つまり、それだけ日本人の気質になっていたという事です。今回は、その日本の根本を成していた気の概念ついてお話ししたいと思います。
西洋の文化が”原子論”を中心に展開をしているのに対して、
東洋の文化は、”気の理論”を中心に展開しています。
”原子”と”気”は、互いに万物を構成する最小単位であると規定されています。
ただし、”気”は”原子”と違って視認できるものではありません。見えないがゆえに信憑性を感じにくいと思われるかもしれませんが、この”見えない”という性質がとても重要なんですね。
見えない事が大切な”気”
例えば、天気、元気、気象、陽気、陰気、運気、寒気、熱気など”気”が含まれる言葉は数多くあります。これらの言葉は”共通の概念”があるんですね。
それは”実体のない物の性質”を現しているという事です。
つまり、”気”という言葉は、実態のない物の性質を現す働きを持っているという事です。
実体がないからと言っても物事に同じ状態は続きません。必ず”変化”が生じます。
気という言葉の概念には、その物の性質を知ることで変化を捉えるという意味が込められているという事です。
この事が実体が見えないがゆえに重要視されている気の概念のポイントなんですね。
日本人の親切心や思いやりを世界から称賛されているのは、目に見えない空気感を大切にしているからです。このことは、古くから気の概念と共に暮らしてきた日本人の習慣性がDNAに情報として伝わっているからだと思います。
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