”気”というのは、前述しました通り、天気、元気、気象、熱気、寒気といった、実体のない物の性質や変化を現す概念という事をお伝えしました。
この”気”の性質や変化を示す働きをより具体化して、追従するために生み出された”陰陽”という概念を分かりやすくお伝えしたいと思います。
天と地は陰陽の象徴
太古の人が自分たちが生きている世界について一定の法則を見つける際に、2つの存在を基軸にしたんですね。
それが天と地です。
天は、太陽を指し、地は、大地を指す言葉です。
陰陽の概念の成り立ちは空間論で展開することができます。
人が天地の間に立った時上に頭上に天があり、足もとに地がありますね。
そこで天は上、地は下という概念が生まれます。同時に天は、高く、地は低いという視点を持つことができます。
また、温かい空気は上に上り、冷たい空気は下に降りるので、上は熱、下は寒という概念が。
熱というのはエネルギーを発散、寒というのはエネルギーを吸収する働きがあります。
その様に2方向の連続性を持った概念を集約したものが陰と陽という理論です。
これを”陰陽論”と言います。
この陰陽論が気の理論をより具体化させて性質と変化を見分けやすく役割を担っています。
季節ごとの陰陽の動き
とは言われても具体例がないと分かりづらいですよね。
日本の四季を題材にこの陰陽の働きを可視化してみます。
この放物線のグラフは、太陽と地球の距離を示しています。
夏に気温が暑いのは、地球の公転や傾きによって太陽の光を多く受けているからです。熱、光が放散するというのは陽の概念ですから、夏は”陽”の性質が強くなる季節になります。陽の性質が極まる時期は、夏の夏至になります。
反対に冬に気温が寒く感じるのは、地球の公転や傾きの影響によって太陽の光に当たりにくくなっているからです。つまり冬は光が陰るという事なので、陰の性質が強くなる季節になります。この陰の性質が極まる時期は、冬の冬至になります。
春は、冬と夏の間の季節になりますね。冬は陰を象徴し、夏は陽を象徴する季節なります。その間に位置するのが春です。
春というのは、そのように陰から陽へ推移する間の季節であるという風に捉えます。
反対に秋は、夏と冬に囲まれている季節になります。夏から冬へ、陽の性質の季節から陰の性質の季節へと推移していくのが秋です。
このように季節ごとの陰陽の違いがそれぞれの季節の特徴を現し、循環する法則性が見えてくるわけです。東洋医学を志している治療家は、この季節ごとの陰陽の違いから体に与える影響を推察し、病を分析します。
陰陽の法則は主に3つありますがこれは次回にお話しします。
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