鍼灸ってツボを使って何をしているの?という感じで鍼灸師がどんな仕事をしているのかブログで書いてみようかと思います。
鍼灸治療は”症状に対してこのツボを刺激する”、”痛む所に鍼をする” といった単純なものではありません。
もちろん、テレビや本で書かれているように”ツボ”を使うのですが、”ツボ”や”局所”を治療してるのではないんです。
どこを治療しているのかというと”五臓”を治療しているんです。
慣用句で美味しいものを食べた時の表現で”五臓六腑に染み渡る”という言葉がありますね。そう、その”五臓”です。
”五臓”の重要さを知っていただくには、”臓”という文字に何の意味が込められているのかを解いていかないといけません。
”臓”を二つに分けると、”月(にくづき)”と”蔵(くら)”となります。月(にくづき)とは”肉体”を指します。蔵というものは”貴重な財を納める場所”のことです。
そのまま訳すと”臓”は”肉体の中に貴重なものを納める場所”という風に表すことができます。それが”臓”の語源です。
では実際に、東洋医学での”臓”は”何を”納めているのか?
それは、”気・血・津液”(エネルギー)を凝縮した『”精気”』呼ばれるものです。
※気血津液は、西洋の概念でいうと、アミノ酸やたんぱく質、脂質、水分といったように身体を構成し、活動するエネルギーを意味します。
”精気”という濃いエネルギーが内臓に納められているということです。
その証拠に、アフリカの大自然に住む野生の肉食動物が”どこ”を一番に食べているのかを思い返してみて下さい。
必ず”内臓”をきちんと残さず食べていますよね。
人のような知性がない野生の動物も、生きる本能から”内臓には高エネルギーものが入っている”と感じ取っているわけです。
そういった意味で”五臓”の中に、身体を動かすための高いエネルギーが納められているわけです。
これを東洋医学で”五臓論”呼んでいます。人の身体は五臓によって活動しているという東洋医学の概念です。
身体のバランスが崩れて体調を損なう時は、”五臓の精気の弱り”が原因となっています。
そういったように鍼灸師はツボを使って、「”五臓”の中の精気の弱り」を整えることで病を治療しています。
Comments